研究成果
※下記の記載は研究者の見解等に基づくものであり、所属研究機関、資金配分機関及び国の見解等を反映するものではありません。
強磁性半導体が示す特異なふるまいの謎を解明! ―新しい第一原理計算手法が導き出したメカニズムとは―
2023年11月15日
A03班福島グループ(新屋ひかり准教授、福島鉄也チーム長ら)はA01班大矢グループと共同で、従来の第一原理計算では困難であった「有限温度における電気伝導特性」が予測可能な新しい第一原理計算手法の開発に成功しました。30年もの間未解明であった、強磁性半導体(Ga,Mn)Asの電気伝導特性が特異な温度依存性を示す原因を新手法を駆使して明らかにしました。今回開発された新手法は強磁性半導体以外の材料系にも適用することができるため、あらゆる分野において材料開発の時間短縮や低コスト化に貢献することが期待されます。本研究は、国際学術誌「APL Materials」に掲載され、東京大学からプレスリリースされました。
<論文>
H. Shinya, T. Fukushima, K. Sato, S. Ohya, and H. Katayama-Yoshida, Theoretical Study on the Origin of Anomalous Temperature-dependent Electric Resistivity of Ferromagnetic Semiconductor, APL Materials 11, 111114 (2023).
プレスリリース:
強磁性半導体が示す特異なふるまいの謎を解明! ―新しい第一原理計算手法が導き出したメカニズムとは―
規則合金/二次元物質界面に埋もれた新奇界面構造・新奇界面磁性を高輝度軟X線解析により明らかに!
2023年6月13日
A01班永沼グループはA03班の新屋ひかり准教授らと協力して、L10-FePd規則合金エピタキシャル/グラフェン界面に埋もれた新しい構造・物性を表面敏感な高輝度軟X線を用いることにより明らかにすることに成功しました。L10-FePd規則合金エピタキシャル膜上に化学気相堆積法により形成したグラフェンはwavy構造となっていることが高輝度X線吸収スペクトルの角度依存性により実験的に明らかとなりました。このwavy構造は、pz混成軌道のねじれ、およびChemisorption-typeのvan der Waals力によることが第一原理計算により明確に説明されます。さらに、高輝度X線磁気円二色性と第一原理計算から、L10-FePdからのCharge transferによりグラフェンが強磁性化し、スピン磁気モーメントが誘起されることがわかりました。本研究は、ACS学術誌「The Journal of Physical Chemistry C」に掲載されました。
<論文>
Hiroshi Naganuma, Mitsuharu Uemoto, Hayato Adachi, Hikari Shinya, I. Mochizuki, Masaki Kobayashi, Akihiko Hirata, Bruno Dlubak, Tomoya Ono, Pierre Seneor, John Robertson, and Kenta Amemiya
タイトル:Twist pz orbital and spin moment of wavy-graphene/L10-FePd moiré interface
雑誌: The Journal of Physical Chemistry C, (2023).
URL: https://doi.org/10.1021/acs.jpcc.2c08982
スピントランジスタの実現に向けて酸化物素子で巨大な磁気抵抗と電流変調を実現
2023年5月31日
A01班大矢グループの東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻の大学院生である遠藤達朗さんと、同専攻の小林正起准教授、Le Duc Anh准教授、関宗俊准教授、田畑仁教授、田中雅明教授らが、スピントランジスタの基本となる横型2端子スピンバル
論文
T. Endo, S. Tsuruoka, Y. Tadano, S. Kaneta-Takada, Y. Seki, M. Kobayashi, L. D. Anh, M. Seki, H. Tabata, M. Tanaka, and S. Ohya, Giant spin-valve effect in planar spin devices using an artificial
implemented nanolength Mott-insulator region, Adv. Mater. 35, 2300110 (2023).
URL: https://onlinelibrary.wiley.co
<プレスリリース>
2022年5月31日,東京大学プレスリリース 「スピントランジスタの実現に向けて酸化物素子で巨大磁気抵抗と
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/pr